小布施に、80歳を超えた北斎の肉筆画がある。
北海道に来るときに立ち寄って見たんだけれど、
今回、長野に行ったので、また見たくて行ってきた。
この年齢になると、
近い年齢の人たちはどんどん、おしまいに向かって準備を始めるように見えて、
まぁ、サラリーマンで、早い人なら定年が近くなってくるし、
その奥さんたちも、旦那さんの定年に向けて色々考えるようになってくるしで、
体のことや仕事のことや、年のことやばかりで、
なかなかうつうつした話が多くなる。
そういうのを振り切りたくて。
元気をもらいたくて。
北斎は、80過ぎで小布施に行って、
東町祭屋台天井絵と、岩松院の天井絵を描いた。
「私は6歳より物の形状を写し取る癖があり、50歳の頃から数々の図画を表した。
とは言え、70歳までに描いたものは本当に取るに足らぬものばかりである。
(そのような私であるが、)
73歳になってさまざまな生き物や草木の生まれと造りをいくらかは知ることができた。
ゆえに、86歳になればますます腕は上達し、90歳ともなると奥義を極め、
100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。
(そして、)100歳を超えて描く一点は一つの命を得たかのように生きたものとなろう。
長寿の神には、このような私の言葉が世迷い言などではないことをご覧いただきたく願いたいものだ。」
と言って、
90歳で亡くなるときに、
後10年、いや、あと5年、天が生を与えてくれたら、必ず本物と言える画工になっただろうに
と言っている。
東町祭屋台天井絵の「男浪」「女浪」展覧会のため貸し出されていて実物は見られなかったけれど、
「龍図」と、「鳳凰図」は見られたし、
岩松院の「八方睨み鳳凰図」は素晴らしかった。
岩松院
いつまでも絵がうまくなりたいと願い続けた北斎。
小さい小さいニンゲンの私だけれど、
少しはあなたのようなこころもちで、
いくつになっても向上心を持って生きていきたいと思う。
で、その後、
小布施は栗で有名で、
老舗栗菓子店・小布施堂本店がやっている
人気のカフェ「えんとつ」でモンブランを食べてきた。
ソフトボール大ぐらいの大きさで、栗ですっ!!という感じ。
和菓子屋さんが作っているので、脂っこくなく、あっさりしていて、
3個ぐらい食べれそうだった(笑)
とてもおいしかったよ~
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