土居善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」を読んだ。
「料理をする」「食べる」ということの基本とも思える本。
「私たちの暮らしの中には全ての原点があって、料理をするということはその要、柱です。食材に触れて、その背景にある自然とつながる。そうすることで自分の中に心の置き場ができるんです。それを無理なく続けるための形が「一汁一菜」」
と、土井善晴さんは言う。
和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて、料理人ばかりがクローズアップされるけれど、
日本人の食文化という点においては、家庭での食事、食文化が基本だと思う。
四季があって、旬のものがあって、
ハレの日のごちそうがあって、
そういうものも大切にしつつ、
ケ、日常のご飯は具沢山のお味噌汁と、お漬物と、ご飯でいい。
という潔さ。
ハレの日と、ケの日の区別。
日常の普通の生活、家庭料理が情緒を育てるということ。
食べることは生きることだということ。
どれも腑に落ちることばかり。
必ずしも親子一緒に食べなくても、
一回の食事だけでも、作る人と食べる人はたくさんの情報をやり取りしていて、
その中で、情緒がはぐくまれていく。
今日はお味噌の加減がちょうどいい、
これはちょっと甘すぎ。
あ、失敗したな、とか
美味しい。
とか。
残してるから、どこか具合が悪いのかな?とか。
美味しかったからおかわりしたのねとか。
情緒をはぐくみ、生きるために、楽しんでたべるということ。
食事を作ることを苦行にせずにすむ形
具沢山のお汁と一菜で、一汁一菜。
料理を作るということ、
食べるということ、
いろいろ考えさせられる1冊。
土井さん
素敵な提案でした。
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