うには咬むからと言われて保健所に捨てられた。
実際、表情が変わって、下手な対応をすると咬まれるかなと思うことは多々あった。
男の人が苦手なので、息子は何度か咬まれたし、
対応を誤って、娘もこの間やられてしまった。
どっちにしても、それは、咬まれる方が悪かったこと。
遺伝で、衝動的に咬む犬はいるけれど、
そうではない場合は対応を誤ったのだと私は思っている。
うに丸はものすごく小心者で、プレッシャーに弱い。
恐らく、母親や兄弟犬から早くに離されて、ペットショップで売られて、
社会化することなく、自分が王様で育った犬なのだと思う。
臆病でプレッシャーに弱い犬ほど咬む。
他の犬種ならば、咬む犬と言われたら、しつける自信がなかったので引き取らなかったと思う。
ワイマラナーだから、
それと、保健所でのうにの様子を見て、ワイマのオスにしては小さいし、
誰彼かまわず咬むのではなさそうなので、これは大丈夫だな。と思ったので。
ワイマラナーはもうすでに保護犬を2頭飼っていて、
1頭は17歳で老衰で看取って、もう1頭はアッシュ。
アッシュは咬む犬ではなかったけれど、女の人を馬鹿にしていて、
テンションが上がってしまうと私の力では抑えられなくなってしまいそうだったので、
家庭犬の訓練に通ったりして、今のように味わい深い犬になるまでには、なかなかてこずった。
なので、
ワイマラナーという犬種に対しては思い入れもあるし、他の人よりは慣れていると思うし。
(向かって左がアッシュで右がうに丸)
うにが、咬む犬になってしまったのは彼のせいではなく、
彼を捨てた飼い主のせい。
子犬の時にしっかりしつけていれば、咬む犬にはならなかったはず。
彼は、少しずつ私や家族を信用して、ここが自分のいる場所だと安心して、
自分のすべてを預けてもいいのかどうかを、日々、迷いながら試している。
べたべた甘える日があるかと思うと、偉そうに出てみたり、
出かけるときに、置いていかれるのが嫌で、ものすごく吠えてみたり。
私たちも、うにの性格を考えながら、表情を見ながら、
我慢することを教え、うちのルールを教え、
もう不安にならなくても、ここにずっといるんだということを教え、
3歩進んで2歩下がって、それでも少しずつ前に進んでいる。
(ぷにちゃ)
うちの犬達は、体のどこをいつ触っても大丈夫なようにしつけている。
わざとしっぽを引っ張ることもあるし耳を引っ張ることも、
口を開けて牙を触ったり、足で体を転がすこともある。
なぜ?
そうしたら、たいていの事は大丈夫になるので。
薬を口の中に放り込むこともできるし、足の爪を切ることも、
たれ耳なので耳の中をふくこともできるし、散歩のあと足を洗うことも、
シャンプーや散髪もできる。
また、介護が必要になった時に、嫌がらずにすべてを預けてくれるようになる。
自分の犬の体のどこでもを触れないようなら、
何をしても大丈夫なぐらい犬が飼い主を信頼してくれないようなら、
その飼い主と犬は不幸だよね。との思い。
うには、びっくりしたり、思い通りにいかないとイライラしたりすると咬むようなので、
びっくりさせないようにする、というのではなく、
びっくりしても大丈夫なこと、を教えている。
最初の頃は、お腹や耳の裏を触るとうなったり、
足元に寝ているのを足で触ると、飛び起きて唸ったり、
急に名前を呼ぶとビックッとして、警戒態勢をとったりしていたけれど、
様子を見ながら、少しずつ、色々な場面で、色々なところを触ったり、
声掛けしたりして、今はほぼ大丈夫になった。
それと同時に、思い通りにはいかないこと、と、我慢することを教えていっている。
こっちは、徐々には改善していっているけれど、もう少し時間はかかるかな。
メンタルが弱くて、家の中でしょっちゅうおしっこをしていたのが、
したくなったら、ドアのところに行ってカリカリして、ちゃんと教えてくれるようになって、
家の中ではほぼしなくなったし、気持ちが落ち着いてきたせいか、回数もぐっと減った。
ただ、ちょっと私に対して分離不安気味になってしまっているけれど、
それも今は彼の心にとっては必要なことなんだろう。
そのうち、彼の気持ちも安定して大丈夫になると思う。
犬を擬人化して遊ぶことはあるけれど、
それが犬にとっての真実だとは思わない。
犬を人間の思う方向に引き寄せる(擬人化)のではなく、犬の性質と特性を理解して、
犬は咬むものだという前提で、
ヒトを咬まない、連れて歩いても困らない、飼い主が困らない犬にしつけようよ。
それでこそ、犬はいい伴侶になってくれて、
飼い主も、犬も幸せになれるのだと思う。
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